NINA BAGS ブランド立ち上げまでの思い
眺めているだけで心が踊る!大人気のフルーツシリーズは6800円(税抜)
世界各国から厳選した上質なビーズを用い、丁寧に一つひとつハンドメイドで仕上げたバッグや小物を提供するNINA BAGS は日本人のFounder / Designer が手がけるシンガポール発のブランド。一児の母として、妻として、そしてNINA BAGSのオーナーとして日々奮闘するデザイナーのGIRAUD CHIARIさんに、ブランド誕生の経緯や今後の展開を伺いました。
|工芸品や世界のハンドメイドに触れる機会が多かった幼少期
父が貿易関係の仕事、なかでも反物などに多く携わっていたことから物心がついた時には世界から集まってきた生地や布を目にすることが人よりも多かったんです。また、父が海外出張へ行くたびに現地の工芸品やハンドメイドの雑貨などを持ち帰ってくると「同じ置物なのに、こっちはペンキがここまで塗られていて、こっちはちょっと違うね、こっちは彫りが深くてこっちは彫りが浅いね」と言うように、子どもながら一つひとつ風合いの異なるハンドメイドアイテムの面白さに夢中になっていたことを覚えています。振り返ってみるとそれらのアイテムを通して海外との接点のようなものが芽生えていたことは、私の人生においてとても重要なポイントでした。
|英語を学ぶ意欲が人よりも旺盛だった幼少期とカナダ留学
英語を学ぶと言うことに関しては、幼い頃からその必要性をひしひしと感じていましたね。小学生だったある日電話を取ると、海外からかかってきた父宛の電話だったんです。相手が何を言っているのかわからず、こちらも何も言い返すことができず、とても悔しい思いをしたことを覚えています。そのような出来事が起こるたびに、英語を話せるようになりたい!と強く思うようになり、小学校4年生の頃から地元の英会話スクールに通い始めたんです。もちろん、その時に得た語学力が今の私の英語力をアシストしてくれたとは思えませんが(笑)、当時は日本における英語教育がまだ発展していない頃だったのでスクールに通わせてくれた両親にはとても感謝しています。
私の英語力が飛躍的に伸びたのは、20代中頃に行ったカナダ留学から。今まで貯めてきたお金をカナダ留学へ投資し、泣きながら英語を学んだあの経験があるからこそ今があると思っています。カナダでは語学学校に通いながら現地でアルバイトをしたり、本当に濃い1年間を過ごしました。海外生活ならではの苦労や想像もつかないようなハプニングに見舞われながら、紆余曲折して笑い泣きを繰り返して、英語のスキルも人としても磨かれたように思います。引越し先を探すために一軒一軒インターホンを押しながら空き部屋がないか聞いて回ったり、ルームメイトに家具一式を盗まれたりと、今思えばネタの宝庫だけど当時は本当に大変でした(笑)
|帰国後、教育機関、ネイルサロン経営を経てシンガポールへ
帰国後は日本の教育機関で10年勤めた後、もともと好きで趣味だったネイルの資格を取得。その後、ネイルサロンを3年経営しました。デザインをする楽しさはもちろん、自分が好きなもので喜んでくれることがこんなにも幸せなことのかと気付かされたのはちょうどこの頃からです。サロンを始めて3年が経った頃、主人のシンガポール赴任が決まり、それを機に長年温めていた「ハンドメイドに携わりたい」と言う思いを実現したいと思うようになったんです。海外で生き抜くための語学力を高めたこと、微力かもしれないけれどデザインのスキルも少しは手に入れことに自信を得ていたこともあって「自分のブランドを始めるためのタイミングはまさに今や!」。そう思えたのは、過去の様々な経験や私の生い立ちが一直線につながったことを実感していたからだと思います。
|誰もがその人らしいファッションを楽しめるように
NINA BAGS のコンセプトは年齢や性別に関係なく、ファッションを楽しめるオリジナリティのあるアイテムを提案すること。日本で暮らしていると年齢を重ねるごとに地味なアイテムを選んでしまいがちですが、ファッションって若い子たちのものだけではないと私は思っています。海外に行ったことのある方だとイメージが湧くと思うのですが、高齢のおばあさまがとびきり鮮やかなドレスを纏ってお出かけしていたり、LGBT の方達も自己表現の一つとしてメイクやファッションを楽しんでいたりする。世界中の人たちからヒントを得て、誰もが楽しめるシンプルなファッションのアクセントになるアイテムを提案したい、そう考えるようになりました。
だからNINAの初期アイテムはポーチやバッグのカスタムメイドがほとんどだったんです。意外にも定番商品や新作をきちんと確保するようになったのは Isetan Singaporeでのお取り扱いが始まってからなんですよ。ありがたいことに、今ではシンガポールに来たらNINAのアイテムを買って帰ると言ってくださるファンの方やリピーターの方々にも恵まれ、人気のバッグや財布、フルーツポーチなど、シリーズも増えてきましたね。
|徹底したクオリティを守ることが、何よりのこだわり
初代の頃と比べると、アイテムのサイズが微妙に変わったり片面ビーズになっていたりと一見わかりにくい機能性やデザインもアップデート。マイナーチェンジを繰り返し、上質なアイテムの追求を続けています。例えば、シンガポールにおいて言えば湿度対策。従来使っていた糸では、湿度に耐えきれず劣化してしまうため、ビーズを縫い付ける糸を丈夫なものに変更しています。また、万一糸が切れてしまってビーズが取れてしまった場合でもお客様がご自身で補正できるようにエキストラビーズ(替えビーズ)を合わせて納品させていただいているんです。ビーズのアイテムって、糸が切れると全てのビーズが飛んで行ってしまうと思われがちなのですが、そうではなく、3つや5つくらいまでのビーズを同時に縫っては止めて、を繰り返しているので全てが飛んでいく心配もないんですよ。
デザインに関してはすごくマニアックになってしまうのですが、シアーなビーズとマットなビーズを組み合わせてニュアンスを出してみたり、グラデーションにこだわったり、大きなビジューをつけてアクセントを足してみたりと、手にとってじっくりと眺めて触れていただいてこそわかる、私自身のこだわりを妥協ゼロでふんだんに詰め込んでいます。
ビジューでジューシーさをプラス!
南国ムード満点のキーチャーム
基本的には自分が欲しいな、こんなのあればかわいいな、と思うアイテムを作っているので納得がいくまでインドの村工場に出し戻しをしているし、こだわりすぎて逆に工場側から却下!と言われることも(笑)。正直にお伝えしますが、NINAのアイテムはハンドメイドアイテムかつ空輸で運んでいるぶん、コストもかかっているし、決して安いお値段ではないんです。だからこそ自分が納得のいくアイテムをお届けしないと、価値を評価してくださるお客様にも失礼だと言う意識で、責任を持って制作に向き合っています。
ポップコーンには白いマットのビーズを混ぜてみたり、パパイヤにも異なるオレンジ色を配置したりと隅々までこだわるのがNINA BAGSの強み。
|クオリティを保ちながら、新しいことにも挑戦したい
先ほどのお話からもお察しいただくように、私はハイクオリティのハンドメイドアイテムをお届けしたいと思っています。実は今取引をしているインドの工場を見つけるまでに約7年の年月を要したのですが、それまで東南アジア各国の工場に足を運び、工場長と直接会話をし、たくさんの現場の雰囲気も見ながら工場を探し続けていました。皆さんの元に届いているNINAのアイテムはインドのとある村、パスポートや住所も持っていないような職人たちが、一つひとつ手作業で丁寧に作ってくれているんです。大量生産ではなく、小ロットでクオリティの良いものを。NINAのアイテムを皆さんにお届けすることを通して、彼らの生活を微力ながらサポートしていけたらと思っているし、そうあり続けたいと思っています。
今後は、生地と遊ぶデザインや東京でイベントを開催することなどを視野に入れながら、活動していきたいですね。
取材記者さまから一言
私がNINAさんと出会ったのは、シンガポールのとあるイベントでした。インドでハンドメイドされたビーズアイテムを扱っていると言うお話や関西出身だと言うことを聞き、興味津々!サバサバした話口調と話の面白さ、そして何よりブランドへのこだわりと誇りにたちまち彼女のファンに♡
海外で子育てをしながら自身のブランドのマネジメントやデザイン、検品、イベント、納品、全てをマルチに手がける彼女のパワフルさとエネルギッシュさ、ポジティブさにたくさんの学びをいただいたことは言うまでもありません。「一日の流れは、子どもを学校に送り出してからの8時から12時くらいの間にメール返信や問い合わせに対応したり検品を行ったり。検品は深夜の3時頃までかかる場合もあるよ(笑)」と聞いて、のけぞりました。
日本にお住いの皆様は、2020年どこかのポップアップショップでお目にかかれる機会があるかも!シンガポールにお住いの皆様は周知の事実ではありますが、Isetan Singaporeに足を運ぶか、アップデートされるイベント情報をお見逃しなく〜!
取材日: 2020年8月
NINA BAGS
WEB: http://ninabeadedbags.com/
INSTAGRAM: ninabeadedbags
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